大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和25(あ)3190 判決

主 文

本件上告を棄却する

当審における訴訟費用は被告人の負担とする

理 由

弁護人小林忠雄の上告趣意について

所論は原審が被告人に対し第一審の訴訟費用中証人Aに支給した分の一部の負担

を命じたことが、憲法第三七条第二項に違反すると主張するのであるが、右憲法の

規定は証人尋問に要する費用は、すべて国家でこれを支給し、訴訟進行の過程にお

いて、被告人にこれを支弁せしむることなく、被告人の無資産などの事情のために、

充分に証人の喚問を請求する自由が妨げられてはならないという趣旨であつて、も

つぱら刑事被告人をして、訴訟上の防禦を遺憾なく行使せしめんとする法意にもと

づくものであつて、その被告人が判決において、有罪の言渡を受けた場合にも、訴

訟費用の負担を命じてはならないという趣旨の規定ではない。そして裁判確定の上

で、その訴訟に要した費用を何人に負担せしめるかということは、法律をもつて、

適当に規定し得る事柄であるから、刑事訴訟法並びに刑事訴訟費用法にもとずき、

原審が証人尋問費用の負担を被告人に命じたことは正当であり、右憲法の条項に反

するものではない。(昭和二三年(れ)第三一六号同年一二月二七日大法廷判決参

照)論旨は理由がない。

よつて刑事訴訟法第四〇八条、一八一条により主文のとおり判決する。

この判決は全裁判官一致の意見である。

昭和二六年一〇月一九日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

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裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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